まだ好きです(完)
★駿side★

「命に別状はありません。右足を骨折していますので、しばらくは車椅子での生活になるでしょう。」

真っ白な病室。傷ひとつなくて、逆に怖い。

「瀬羅ごめんな。」

「ううん。いいんだよ。んだって、約束してくれたもんね。ずっと一緒にいるって。」

「いや、怪我が治るまで、ずっと一緒にいるよ。第一、俺が瀬羅にあんな事いっちまったしな。」

「ありがとう。」


白い病院の窓から見える景色は賑やかで、スーバーや、ショッピグモールなどがずらりと整列していた。


俺は今は雛の事を考えている場合ではないと思った。今は瀬羅のそばにいてあげねーと。

俺が、瀬羅とは一緒にいれないっていったから、瀬羅は飛び出した。


一歩間違っていれば、命を落としていたかもしれない。


でも、今はそばにいると約束したが、その先の事なんて、いまはまだ、考える余裕もなかった。



記憶はまだ、はっきり思い出してないけど、新の優しさも、日向の前向きさも、雛の明るさも…なんだか、懐かしく思える。


思い出そうとすると、頭痛が俺を遅い、その後の記憶はまだ、閉ざされたままなんだ。


「駿…?どうしたの?」


もし、もしも…また「俺は雛が好き」って言ったが、瀬羅はどんな顔をするだろうか?


俺は一生、雛に思いを伝えられないのか?


まだ、そんな勇気がなかった。



このころは…




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