まだ好きです(完)
“自分に自身を持って”


“私、今の駿も、前までの駿も、好きすぎて…辛い”


“駿には笑ってて欲しい。一番に駿を応援したい”





“私、信じてるから”

公園を後にして俺らは暗い住宅街をゆっくり歩いた。


雛はまだ驚いているようで、かなり動揺していた


「覚えてる?陸上大会の時さ……」


雛は一つ一つ俺の記憶を確認するかのように、過去を振り返った。


そんな事をしているうちに、もういつもの別れ道まできてしまった




「雛。いままで待っててくれて、ありがとな」


俺はそういって家に向かおうとした。すると、いきなり雛の口が開いた

「駿……私、駿が行方不明なった時から心配してたんだよ」

「ごめんな…」

「ううん。記憶戻ってよかったあ」


雛の無邪気な笑顔、まつげは涙でキラキラと光っていた



それがとても綺麗だった



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