まだ好きです(完)
「うっわ~。今日はハンバーグだ!」

今日の夕飯はあっつあつのハンバーグ!しかも、でかい!やった!私は一気にテンションが上がった。

「甘いな!雛。中を開けてみ!!!」

お母さんはそういうと、わざとらしいウインクをしながら、私を見た。お母さん…可愛いつもりでウインクしてるんだろうけど、それ……変顔にしか、見えないよ。


私は、おそるおそる、ハンバーグを二つに割った。おおっ!!!!


中には……チーズ!!!おお、チーズINハンバーグときたか!なるほどぉ~。やるな、お母さん。ハンバーグの中に何が入っているかなんてわかんなかった。

「運命も、そうよ。何があるか分からない。そう、夢を持ちなさい?雛。夢は前を向いていられる魔法なのよ?」

「夢は……魔法?」

「そうよ。夢があると、それに向かって、努力しようとするから、自然に前向きになるのよ。」

「ふーん。」

「いい例なのは、そうね~。駿君???とか?」


「えっ!!!!!お母さん!ちょ!なんで?」

「やっぱり。いい男じゃない。駿君!」

あ~あ。お母さんと、恋バナするような関係になってしまった……。

「駿君、陸上の時、目標を持って頑張っていたそうじゃない?だから、自然に前向きになってたわ。」

「……確かに。」


足痛めめいても、絶対弱音をはかなかった。「大丈夫」それしか言わなかった。




駿……。




< 178 / 202 >

この作品をシェア

pagetop