まだ好きです(完)

運動会

★駿side★

新……あいつは、何考えてるのか、さっぱり分かんねーんだよ。なんで、雛を連れて行った?俺の目の前で、新は、雛をさらった。意味わかんねーよ。

「なーんか、駿キレてねー?」
「あー。やっぱ、あれだろ?雛チャン??」
「ってか、あいつ記憶もどったんだってよ。」
「うっそ。まじで?」
「おう、なんか雛がずっと励ましてくれてたらしーぜ」

「ちょっと~、そこの男子!ちゃんと応援歌考えろー!」

あ~あ。みんなして俺の話題出すな。……俺は、運動会の応援団になった。去年もなったから、今年も引き続きってわけ。


「駿君、応援歌考えた?」

日向は、俺と同じく応援団。こういう女らしいやつより、もっと太い声だす女子のほーがいいような気もするが…。まあ、それはおいといて。

「まだ。考えてない」

俺と日向は赤軍で、今年は赤軍5連勝を目指している。放課後も、1時間以上、応援歌をかんがえている。主に、なんかの曲の替え歌というのが多い。


「ねー、ねー、雛の事もう好きじゃないんでしょ?」

「いや、好きじゃないっつーか。」

日向の質問に一瞬びびった。日向って雛と仲いいんだっけ?やばい、今は雛の事聞かれたくねーのに。


「雛はずーっと待ってるよ。」

は?雛って……ちょっ

「日向!雛はもう俺のこと……」

俺のこと好きじゃなくなってるんじゃねーのかよ?もう、うんざりしたんじゃねーのかよ。こんな俺で、何回も、雛に辛い思いさせといて、瀬羅と一緒に戻ってきたり……


「雛……馬鹿!!!」


涙が零れ落ちそうになって、必死にこらえた。



雛の優しさが、あふれる涙のように、伝わってきた。




「よっしゃ!応援歌、考えっぞ!!!!」


俺が、なんだか、パワーがみなぎってきた。雛に届けたい。この応援歌を。






みてろよ。
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