まだ好きです(完)
「まずー。一種目、男子騎馬戦。」

うぇ~~~~い!!!と、男子特有の声がこの秋晴れの空に響き渡った。女子はその声に爆笑。俺は、着ていた学ランを脱ぎ捨て、っしゃぁ~~~といって陣地を後にした。

「駿!!!」

「……雛。」

「この学ラン預かっとく!汚れたら大変でしょ?ほら!頑張って!」

雛………。

「サンキュ。」

「駿ー。行くぞー。」

「んじゃ。雛、行くから。」

「うん。」

俺は、雛のもとを離れた。


「俺ってさ、騎馬のどこ担当?」

「ん?右の足。」


「は?」


「いや、一番上はもう先輩って決まってるから。俺らの裏校則ってヤツ?」


はああああああああああああああ??????それじゃ、雛にいいところ、見せらんねーじゃんかよ!!!


「まじかよー。」

「…ま、いくら運動神経がいいからって、一番上担当になれると思ったら~~?大間違い!!!」

くっそ~~~~~~!!!!!!来年!!来年こそは上乗るからな!

騎馬の右足なんて上等じゃねーかぁ~?やってやんよ!



「それではー。いちについてー。よーい。どん」


アナウンスが一年生の放送部に変わったのか、なんかぎこちない合図で、俺らはスタートした。

相手は、白軍。うっわ、騎馬の土台のやつら、みんな体格よさすぎだろ!そりゃ、騎馬くずしにくいな。騎馬の上に乗ってるやつも、軽そうだし、やっべ。





「えー。結果報告。」


「一位白軍。二位青軍。三位赤軍。」


「ほんっと!!!すいません!!!」

団長先輩が鬼化してきている女子たちに謝罪をしている。俺等はトップバッターながら最下位。いや、あれは、相手がわるかった。次は、女子のまりいれだ。女子はものすごくキレている。女子こえーよ。


< 189 / 202 >

この作品をシェア

pagetop