まだ好きです(完)

恋人

目を閉じれば、彼とも思い出がまるで1つもドラマのように、思い描かれていた。 
「雛」

 「何?」


 「呼んだだけー」


高校に入って初めての夏。


結構私達は仲良くなった。

夏休み明けにはすぐ運動会がある。


私と駿は運動会準備係。


今日も活動があった。


「駿ー!!このダンボールどこに運ぶの?」

「体育館じゃね?」


うわー。このダンボールめちゃくちゃ重いんですけど!!


「持つ?」


「え?」

「雛、握力すくねーんだから無理すんな。」


気づいてくれてたんだ。



胸の奥がきゅーんってなった。


「む,,,無理なんかしてないもんねー。」



うわ。意地張っちゃった。


こーいう時は甘えたほうがよかったのかも。


「してんじゃんか。丸見えなんだよ。」



え。



そういって駿はぐいっと私が持ってるダンボールを持ってくれた。



「…ありがとう」



「いえいえ~。」



憎めない奴。


でもそこがいい。そう思った







< 19 / 202 >

この作品をシェア

pagetop