まだ好きです(完)
★雛side★

「もぉ~~~!男子弱すぎ!!」

先輩たちはそういって、がんばれー!と応援していた。先輩たちからは、甘い香りがした。先輩ってかわいいなー。なんて憧れたりする。高校生にもなれば、みんな可愛くなるものだ。恋してる人ほど、可愛いなーって、思ったりすることが多い。


「すまんすまん、最下位だった。」


応援団長の先輩はそう言って、私達に謝罪してる。男子なのに、女子の言葉に負けてる!なんか可愛い!

「女子、頑張れよ。男子の分も!」


そういってその先輩は白い歯を見せて笑った。運動会、それはみんなを一つにさせる魔法の行事なのかも……。今まで、話したこともない先輩との距離も縮められるし、なんか、こうやって、みんなで「優勝」っていうひとつの目標に向かって、全力で突っ走るのって、今しかできないことだから、すっごくいいなあって、思った。


駿は……。かなり、楽しそう。いつもより爆笑してるし……こっちまで、笑えてくる。駿は、この団長と仲がいいみたいだから、結構駿も応援団の仲で目立つほうだ。


あいかわらず、瀬羅ちゃんとは一切、駿は口を聞いてないらしい。なんでかは……わかんないけど。





「よし!んじゃ。みんな。男子を信用しちゃ駄目!!!うちらで、優勝をつかみとるんだよ!!!!」



女子も男子に負けずに、気合の声を出した。よし、私も頑張るぞ!!!!




「まりいれ、いちについて、よーい、どん。」



その合図とともに、男子も熱い応援が心に響いた。男子が応援してる…って事は駿も応援してくれてるのかな。男子の声はすっごく大きくて、ものすごい迫力だった。他校の女子がきゃーきゃー言っているのも聞こえる。男子目当てできてるのか?他校の女子は~~?私は、155cmの身長で必死に伸びながら、まりをいれた。まりがちゃんと籠に入っているのか分からなかったけど、ただ、ひたすら投げた。




「それでは…結果発表。各軍まりを数えてください。」



どきどき・・・。



「結果がまとまりました。一位……赤軍!」



いええええええええええええええええい!!!!私達はいっせいに立ち上がり、先輩後輩、関係なく、抱きついたり、ハイタッチしたりしていた。


「やっぱり女子の本気は半端ねーー!!!」
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