まだ好きです(完)
「……すっげーな、女子の底力は」
団長先輩はそういってワックスで固めた髪の毛をひたすらいじっていた。


そのあとも色々な競技が終わり最後のリレーのみとなった

最後のリレーで優勝が決まるとでも言ってもいいほどの高得点がもらえる


リレーは選ばれた、選抜リレーメンバーが集まって一つのバトンを4人でまわす

つまり選ばれた人は責任重大って事だ

そんな競技に駿は出場する。
しかもアンカーをまかされたのだ。

普通、リレーのアンカーは先輩なのだが、団長は足がものすごく遅いため、駿に任せたんだとか。


「駿大丈夫…?」

「おう。っていうか言っただろ?あのとき」

「あのとき?」


“ぜってー、勝つから”

あ……あの時。


「思い出した」

わたしは駿にニヤリと笑って見せた。


覚えてるよ?駿の言葉。ぜってー勝つからって言った時の君の顔も全部覚えてるよ

リレーで決まる。というプレッシャーを感じていないのか駿は笑顔のままだった

いや。緊張してるよ。駿はいつも笑ってるから、本当の気持ちが分からなくなるときがある
でも駿に言いたい。もうがんばらなくてもいいんだよ…と


「駿!」


三年生だけが走るアンカーに選ばれて
三年生の中に二年生の駿が同じ番で走るのは無理がある、

三年生にはかなわないかもしれないんだよ?なんで駿は平気そうなの?


赤軍の応援はどんどん激しくなっていく。ラスト種目だけあって運動会は熱気に包まれた


< 192 / 202 >

この作品をシェア

pagetop