まだ好きです(完)
★駿side★

ぜってー。ぜってぇぇぇぇに勝ってやる。俺は、だんだん近くなる、出番を、ただ、待っていることしかできなかった。周りは上級生。そんなプレッシャーに押しつぶされそうになったが、みんなに心配はかけていられない。俺は無理に笑顔を作った。

うっわー。だんだん赤軍と青軍の距離縮まってきてるな。ここで、抜かせなかったら、俺が悪いじゃん!!!やっべー。大丈夫か?


「不安」この二文字が俺の両足に落ちてきた。赤軍の応援が聞こえてくる。俺が考えた応援歌。みんな、一生懸命に叫んでいる。俺等のために。仲間のために叫んでる。


「アンカー!レーンについてください。」

アナウンスがなって、もうやるしかない、そう思った。


俺にできる事をするまでだ。だんだん日が落ちてくる。夕焼けが俺の体を燃やした。そして、心も燃やした。

俺は、バトンをもらい、スタートした。やべ!青軍、はや!

なかなか、追い越す事ができない。やばいぞ。まにあわない。どうする?俺!!!


焦りと疲れがでてきた。俺の両足が一気に重くなる。ぬかしてーのに!!!!


と…その時、




「駿!!!駿ならできるーーーーーーーーーーーーー!!!!」





その声。


セミのなく声よりも、小さな声だったけど、俺には、はっきり聞こえた。雛の声。俺は目が覚めたような気持ちになった。一気に眠気が覚めた……そんな気になった。


「っしゃ!」


どんどん、足が動く。どんどん、どんどん。俺は、いつのまにか、青軍を抜かしていた。


みんなの歓声が俺の体をびりびりと電気が流れているかのようにしびらせた。


俺……やったんだ。一位とったんだ。


「っしゃあああああああああああああ」


俺は、大きくガッツポーズをした。大きく大きく。



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