まだ好きです(完)
「日向ちゃん」


グラウンドに立ったとき、くらっと来た。


まだ熱中症の症状がおさまっていない様子だった。


「大丈夫?」


何度呼んでも日向ちゃんの返事はない。


救急車がいそいで駆けつけ、何人かの大人の人で日向ちゃんを抱きかかえた。




「誰か!!生徒一名も救急車に乗って看病してやれ」


「はい。俺いきます。」



その声は、駿だった。


そりゃそうだ、



大切な彼女が急に倒れて、


知らないフリする彼氏なんていない。




特に駿は、弱ってる人がいたらほっとけない、



たとえ学校中から嫌われてる人だろうと、


弱ってる方の味方をする。



「駿」


日向と駿と先生を乗せた救急車は急いで病院へと向かった。



ただただ、私は、日向ちゃんが無事な事を祈るしかなかった。




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