まだ好きです(完)
「着いた。」


そんな事を思い返しているうちに、もう雛の家の前に立っていた。


思い返した後の現実はいつも俺たちに冷たい。



「あの」


ベルをならして、ドアを開けた。


懐かしい、雛のお母さんだ。


「ごめんなさいね。今雛、出かけてるのよ。誰のところに行ったんだっけ?
たしか....新君?」



急にサーっと寒気が俺を襲う。


なんで、また、あの2人一緒にいんだよ。


「駿君。懐かしいわね」


雛のお母さんはなんだかすげー寂しそうだ。




「雛の所行ってきます。」


もう後戻りはできない。



そう感じた。




< 56 / 202 >

この作品をシェア

pagetop