まだ好きです(完)
「ひーーーなぁ!早く帰るぞ。」

「うん!ちょっとまってー。」

私は、急いで教科書やノートをカバンの中につっこんだ。駿は焦らなくても、絶対待っててくれた。優しい目で、こっとをみながら、ずーっと、待っててくれた。

「今日、どこ行く?」

彼のあったかい手に包まれて、私は彼の肩に寄り添った。駿のYシャツから、甘い香りがふわんと私の鼻にはいってくる。

「んじゃ、カラオケにでも、行きますかぁああ!!!」

よっしゃーーー!そう言って、私達は、近所のカラオケに行った。平日だったので、かなりすいていて、歌声がもれても、気にせず、馬鹿声だしてうたった。


「あー!あっつい!汗かいたぁ~~!」

「雛は、マラカス担当なー!!よっしゃ!俺はボーカル担当!」

「ちょ!!やだ!マラカスとかさびしすぎる!!!」


私は、むう!っと口をとんがらせて、駿がもっている、マイクをとろうとした。…とその時、駿は体勢をくずし、ソファに落ちた。


「……っぶねぇ~~!」


駿は目を開ける、私もゆっくり、目を開けた。ぎ…ぎ…ぎゃあああああああ!!!駿の顔近すぎ!!!


「とりゃ!!」


私は、恥ずかしさを紛らわすために、駿がもっていた、マイクをとって駿が選んでいた曲を歌って見せた。


「だれ~に~も~~~♪みせ~ない~♪って低!!!!!」

これは、ずいぶんトーンが低い曲で、歌えない。駿は、私をみて、大爆笑した。



く……くっやしいいいいいいいい!!!!!!


「雛ー。」

駿はそういうと、手を上下にふり、こっちにおいでと言った。私は言われるままに、駿の方に向かった。

「はい。雛は、俺の隣な。」


駿は、私を駿の隣に座らせた。めっちゃ至近距離!!!うおー!

駿の一言一言で、惚れちゃう女子、何人くらいいるんだろう。


私は、その中の一人だな。



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