まだ好きです(完)
「えーっと、内容は、幼稚園から一緒だった幼馴染が10年の時を越えて、再び会うっていう、ラブストーリーだな。」

新はそういうと、その小説のページをぺらぺらとめくって見せた。「10年の時を越えて、再び会う。」かあ。そんな、10年も会わなかったら、お互いわすれてるんじゃないかな?…私は新に質問した。


「いや。それがさ、わすれてなかったんだよ。ずっと信じてたからね。また会うって。」

私もそうだった。駿の記憶は絶対もどる……そう信じてたら、駿の記憶は戻った。
あきらめないかぎり、夢はあるのだと、教えてくれた。


「あ、俺もういっこ、行きたいとこある。」

「う…うん」

新の「行きたいとこ」。それは、映画館だった。二人はお金がなかったので、二人で一つのポップコーンを食べた。味は、もちろんキャラメルだ。


「あ~よかったよ。新、ポップコーンの味、塩がいいとか言ったら、どうしようって思ってたー。」

「俺も!雛が塩ポップコーンしか食わないっていったら、どうしようって。」


二人はそんなことで、へらへら笑った。あ。この映画は


「未来。今上映してるんだ。雛、興味あっただろ?」

う…!!!ばれてたのか!!私ってそんなに分かりやすい奴?????



「雛。」

「ん?」


「告白の返事さ。」


「うん。」


「今聞いてもいいかな??」




どくん。心臓の音が聞こえた。




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