まだ好きです(完)
駿はマイクを持つと、私の方をみた。

「雛の好きな人って誰?」

は?そんなの……駿にきまってんじゃん?


「雛ってすきな人いんのー?」

駿はわざとらしく、私にマイクを向けた。私は、顔を赤くしながら、マイクを手に取った。

「駿が……好き。」



言ってからかなり恥ずかしくなった。


「はい。よくできました」

そう言って駿は私の髪の毛を引っ張った。

「ちょっ!痛いって!」

そう言いかけたが、私は駿の腕の中にすっぽり抱かれた


私の心臓の音が聞こえそうだ


「駿?」


「ん……?」


「超ドキドキ聞こえるでしょ?私の」

「聞こえる。雛、こんなに早く心臓動かすと死ぬぞ?」

「んだって!!駿がそうさせてるんでしょ」


「俺も、今ドキドキしています」


え………



私は駿をドキドキさせる事ができたんだ。駿は私の手を彼の胸に当てた。
本当だ。ちゃんとドキドキ言ってます


こんな時間が永遠に続けばいいのに

ずっと二人でいれたらいいのに

「……うあっ!ラスト10分!最後、雛何か歌え!!」

え!何か歌えって……!んーと……
んじゃあ…これ

わたしがとっさに選んだ曲は……げっ!演歌ああああ!間違えた~~~!

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