ナンパ男との恋 社会人編
*珍しい患者
「午後も多そう?」
さおりさんが ため息混じりに
予約票をめくりながら
お疲れモードの様子・・・。
「いえ、午後は たしか・・・・」
「あれ?午後は少ない?」
「はい、たしか今日の午後は
少なかったですよ」
「良かったぁ~
お昼食べると 動きたくないのよねぇ。
できることなら
お昼寝したいくらいだもの、ふふふ」
予約が少ないと分かった途端
一気に元気になった さおりさんに
思わず笑ってしまったけれど
私も 予約が少ないと
今日は ちょっと早く帰れるかも・・
なんて考えつつ
やっぱり うれしくなってしまうわけで・・・
「はっるなちゃん ご機嫌じゃん?」
「ひゃっ!?正樹くん
ビックリしたでしょ~」
「あはは だって
ビックリさせようと思ったんだもん」
思ったんだもんって・・・・
「何 二人で話してるの~?」
正樹くんの肩をくむように
横から みさとさんが顔を出した。
「春菜ちゃんが やけに
ニコニコしてるから
からかってただけだよ」
「ふぅん・・・・・
あっ、ねぇねぇ
久保くん 今夜ヒマ?」
私を無視するように
正樹くんに至近距離で誘う様子を見て見ぬふりをするように
体制を整え直した。