ナンパ男との恋 社会人編
そして、翌朝
まだ夜も明けないうちに
輝樹のアラームが鳴り

「あ、わりぃ・・
うるさかったか?」


「ううん・・・・」


電気をつけ
準備を着々とすると


外には もう既に
迎えの車が来ていて・・


「じゃあ・・・いってくるな。
ちゃんと規則正しい生活しろよ。」


「うん・・・
いってらっしゃい・・」


玄関の扉が閉まり
輝樹の足音が遠ざかっていく。


この瞬間が
一番 寂しくて泣きそうになる。


・・・・・?


勢い良く走って戻ってくる足音に
玄関の扉を開けると

息切れした様子の輝樹が立っていた。


「忘れ物??」


驚きながらも
そう聞くと、


「いや、あー・・疲れた。
この年で猛ダッシュは 
さすがにつらいな・・はぁはぁ・・・」

浅く深呼吸すると

「絶対 男と遊ぶなよ?
いいな?
男と関わるなよ?」

「へ?それを言いに
わざわざ走って
戻ってきたの?」


「あ?あぁ・・・
じゃあな」


再び走って戻っていく輝樹の後姿を見ながら

私のセリフだってば・・・


なんて思いながら
ますます感じる寂しさを
ぐっと堪えた。



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