ナンパ男との恋 社会人編

「ねぇ・・・・・
私さ・・・」


鍵を探しながら
あかりさんが
うつむきながら
帰ろうとする輝樹の腕を掴んだ。


「あ?」


そう言いながら 立ち止まると、


あかりさんが 震えた声で


「できちゃった」

「は?何が?」

「赤ちゃん・・・・」

「は?はぁ!?
誰の!?」

「それがさー
分かんないの。
奥さんいる人とも寝てたし、
高校生とも寝たし、
彼氏とも寝たし・・・ね。
ははは・・・参っちゃった・・・」


「んな・・・もん・・・
どうせ お前の事だから
腹くくってんだろうが。」


「さっすがー・・・わかってんじゃん・・・
でもさ・・・私なんかが
母親で 子供・・・
幸せなのかなって・・・
考えたら・・・さ」


「アホじゃねぇんだから
くだらねぇことばっか考えてんじゃねぇよ。
そんなくだんねぇ事考える暇あったら
酒なんて飲まずに
ガキん事だけ考えろや」


「うん・・・・
輝樹なら そう言うだろうなって 予想はついてたけどね。
春菜は?春菜はどう思う?
私なんかが母親で 子供・・不幸になんないかな・・?」


「な・・・・、なるわけないじゃないですか!!
あかりさんみたいな人が母親だったら きっと・・・
幸せですもん!」


思わず 力が入ってしまった。
< 234 / 330 >

この作品をシェア

pagetop