ナンパ男との恋 社会人編
「ど、どうぞ」
買い物袋を片手に
バッグから鍵を取り出し
扉を大きく開けると
「何か・・・
オバサンみたい」
バカにしたような笑いを浮かべ
中へ入っていくと
ソファーに座った。
「何か 飲み物もらえる?」
「あ、はい」
とは言ったものの・・・
コーヒーと牛乳しかない・・。
「コーヒーでも大丈夫ですか?」
「あっ!コーヒー飲めない」
飲めない・・・。
どうしよう。
さすがに
コップに牛乳は
子供じゃないんだから
ダメだよね・・。
「すいません、ちょっと
そこの自動販売機で買ってくるので
何がいいですか?」
「んー、じゃあ
レモンティお願い」
レモンティって・・・
「すいません、たぶん
入ってないかもしれないんですが
なかったら・・・」
「あーそっか。コンビニじゃないもんね。
輝樹が よく買ってくるから
ある前提で言っちゃった。
なかったら お茶でいいよ」
何だか・・・
輝樹と よく会ってるような口ぶりに どう返していいか分からず
はい・・・の一言しか言えなかった。
取り出し口からお茶を出しながら レモンティ・・・
私にも よく買ってきてくれてたなぁ・・なんて。
私にだけじゃない、そんな現実を突きつけられたような気になってしまう。