平穏な愛の落ち着く場所
『ちーさー』
崇は困って彼女を抱きしめると、優しく
揺すりながら、あやすように背中を擦った。
俺を理解しすぎているせいで
無駄な距離を置こうとする
分かりやすいかと思えば
時々つむじ曲がりになる
澄んだソプラノは、心地よく響き
時に頭が空っぽになるほど翻弄させられる
その全てを
千紗の全てを愛している
『とっくに言ってるつもりだった』
『もう!』
バッとはなれて、抗議するように睨む彼女の
瞳と鼻は真っ赤で、その姿に胸が押し潰されそうだ。
『愛してる』
『あっ……』
再び腕に抱き寄せて、何度も愛してると囁いては、顔中にキスをした。