平穏な愛の落ち着く場所


『見つかったか?!』

どこをどう飛ばしてきてのか、30分もしないうちに彼は現れた。

『崇さん!!』

『野口の家は?』

千紗は熱くなる瞳をこらえて首を振った。

『南原さんにも連絡したのだけど留守電で、
 どうしよう……なんで紗綾を……』

『大丈夫だ、俺が必ず見つけるから』

そしてそれに続く、
《あの男は見つけたらただじゃおかない!》
という言葉をかろうじて飲み込んで、
崇は彼女を抱き寄せた。

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