平穏な愛の落ち着く場所
『んっ』
彼女の力が抜けるまで、巧みな動きで
唇を開かせ、もどかしいほどゆっくりと
舌を絡め、深めていく。
『崇さん……』
吐息のように澄んだソプラノが
甘く掠れて自分の名前を呼んだところで、
崇は満足して唇を離した。
『俺を誤魔化そうなんて、10年早い』
この不安そうな瞳に俺が気づかないと
思っているなら、千紗は何もわかってない。
『あっ…』
敏感な肌をなぞるように指を走らせる。
『本当の事を言え』
『本当よ……んっ…
離れているのが寂しいの』
『そうか、ならば……』
崇は滑らかな太股に手を滑らせた。
夜はまだまだこれからだ。
『寂しさを埋めてから…って、おいっ!』
余裕を見せた俺を彼女は押し倒し、
いきなり上に乗って膝立ちで受け入れた
『千紗……』
部屋に入った時を上回る激しさで
駆り立てられて、欲求と狂おしさに
肺が焼けつくような痛みを感じた。
***