平穏な愛の落ち着く場所
《千紗に関わるなら覚悟して!》
胸に微かな痛みを感じて、顔をしかめた。
覚悟なんて、知ったことか!
千紗が幸せそうに笑うのを
もう一度見たいと思うのが、何が悪い!!
俺は俺のやりたいようにやる。
崇は受話器を上げた。
『専務の加嶋だ……ああ、そうだ先ほど
野口さんを突然仕事中に連れ出して
すまなかった……いや、彼女には何の
落ち度もない……まあ、ちょっとした
勘違いというか、とにかく彼女は
これまで通りで頼む……ああ、それから
今日中に彼女の契約書をここへ頼む…
いや!彼女には落ち度はないと言ってる
だろう!とにかく、頼んだぞ』
まだ何か言いたそうな先方を無視して
受話器を置いた。
先ずは彼女の生活を見直させてやる。
あんなに痩せ細った千紗は見たくない。
俺は有能なビジネスマンだ。
巧みな操作で、事態を…この場合は千紗を
正しく動かしてみせる。