ノノハナ
――ー
いつもと変わらない学校からの帰路を、買い物袋をぶら下げ、少し足早にあるく
今日は朝から、何か胸騒ぎがするのだ
だが、既に夕方になっており、この胸騒ぎが杞憂に終わればいいと思いながら、家に急いでいた
アパートが見える位置まできた時に、部屋の前に人影が見えた
一人暮らしを始めて一年半、今まで一度も顔を見せなかった、オバの旦那にあたるおじさんがいたのだ
居候していた頃からノノカは、このおじさんが苦手である
ノノカを見る視線に嫌悪感を感じるのだ
大きな溜め息をついてから、おじさんの元に向う
私の姿を確認したおじさんの顔が、厭らしい笑みを作る
「こんちには、お久しぶりです。」
挨拶をする私に、返す事なく、部屋に入れろと言う