ノノハナ
手当てが終わり、さっきより少しは彼の表情が楽になったようだ
ほっと一息つくと、喉の乾きを覚え辺りを見回す
もちろん水は見当たらないが、洞窟が少しヒンヤリと湿っぽいので少し奥を見て回る事にした
少し進むと広い、場所にでた、真ん中には透き通った泉が湧いている
滑らないように近づき少しだけ口に含むと、柔らかく美味しい水だった
喉が潤うまでゆっくり堪能し、ハンドタオルを濡らすと、元きた道を歩き出す
先ほどの彼の場所に戻ると、彼の肌についた血の痕をそっと吹き始めた
よく見ると真っ赤の髪に、通った鼻筋、かなりの美形に息を呑む
「ッ!!‥‥ヴッ‥‥」
彼の瞼が少し震え切れ長の目がゆっくり開く