B - Half
 放送ブースの奥の小部屋。

 床に積まれた雑誌を蹴って、開け放った窓の前に、パイプ椅子をすえる。

 前髪を揺らす、ぬるい風。

 しょぼい県立高校にしては広々した校庭では、暑いなかご苦労にも、サッカー部やら、野球やら、陸上やら、わらわらと。

 熱心だか熱心じゃないんだかわからないゆるさで、練習にはげんでいた。

 ぼーっと考えてしまうのは、オンナのこと。

 贅沢といえば贅沢か、と笑い飛ばすのに失敗して、落ちるのは深い溜め息だった。
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