B - Half
・2・
六時丁度。
おっかなびっくり、ご親切にも壁に貼られた定型文を読み上げて、マイクの電源を切る。
――時間切れ。
もう、ここにいる理由がない。
「……帰るか」
ずっしり重いバッグを持ち上げて、自分に云い聞かせるために呟く。
『こんな古式ゆかしい機材、盗む奴がいるかよ』、と悪態をつきながら戸締まりをして、もうそろそろ日の陰りかけの廊下に出た。
「バイトでもするか……」
長い長い放課後をうまく使うやり方が、ちっともわからない。
『以前』、どうやって過ごしていたのか思い出せそうもない。
「最悪……」
おっかなびっくり、ご親切にも壁に貼られた定型文を読み上げて、マイクの電源を切る。
――時間切れ。
もう、ここにいる理由がない。
「……帰るか」
ずっしり重いバッグを持ち上げて、自分に云い聞かせるために呟く。
『こんな古式ゆかしい機材、盗む奴がいるかよ』、と悪態をつきながら戸締まりをして、もうそろそろ日の陰りかけの廊下に出た。
「バイトでもするか……」
長い長い放課後をうまく使うやり方が、ちっともわからない。
『以前』、どうやって過ごしていたのか思い出せそうもない。
「最悪……」