B - Half
薄暗い廊下に突き出たプレートは『地学準備室』の文字。
かろうじて役目を果たしているものの、そのプラスチックプレートは、端は茶色、全体的に黄色く黄ばんでしまっていた。
「こんな場所、あったっけ…」
「ありますよう! せんせ、泣きますよお」
きゃらきゃら笑い、慣れた様子で、穂波は引き戸に手を伸ばす。
と、戸が勝手に開いた。
「おっと、失礼。……なんだ、お前か」
教材片手に出てきた白衣が、穂波を見て露骨に顔をしかめた。
かろうじて役目を果たしているものの、そのプラスチックプレートは、端は茶色、全体的に黄色く黄ばんでしまっていた。
「こんな場所、あったっけ…」
「ありますよう! せんせ、泣きますよお」
きゃらきゃら笑い、慣れた様子で、穂波は引き戸に手を伸ばす。
と、戸が勝手に開いた。
「おっと、失礼。……なんだ、お前か」
教材片手に出てきた白衣が、穂波を見て露骨に顔をしかめた。