B - Half
 内心のグダグタさを押し隠して、低く呟く。

「で?」

「あれ、それだけでいいんですか?」

 先を促す俺に、拍子抜けしたように穂波が目をみはる。

 邪険に、俺は手を振った。

「次行け、次」

「ええと」

 ちょっと調子が狂ったように目をぱちぱちさせてから、気を取り直したのか、穂波が話を再開する。

「まあ、コウヤくんが気にしないならラッキーってことで。

 あと、あたしはコウヤくんの弟さんの、キョウヤくんを知ってます。

 去年の春、うちのバイトをしていたりも、しました」

「なんで?」

 馨也のそんな気配さえ、俺もしよりも感じなかった。

 そう思うと、遅すぎはするけど、やっぱりさびしかった。
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