B - Half
「ああ…お前がコレの」

「そうでーす!」

「『コレの』といわれるようなことは、なにもありませんが」

 力いっぱいの穂波の返事と、俺の声が重なる。

 それだけで状況をがっつり把握したのか、白衣はなまぬるいまなざしを俺に向けてきた。

「まあ…がんばれや、少年。穂波! 他の先生方に見つかるなよ」

「はーい、せんせ」

 白衣がすれ違いざまに、俺の肩を叩いていく。

 ――どういう意味だか。
 
 どちらにしても、さしていいものじゃなさそうだ。
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