B - Half
 窓の外は、放課後の部活とは違う、きままな歓声が響いている。

 真昼の日差しが、くもった窓ガラスを透かして、容赦なく部屋に降り注いでいた。

 平和な、晩夏のひととき。

 ――ほどなく。

 ダメージから立ち直ったのか、むくりと、穂波が起き上がった。

「穂波」

 『?』いっぱいの穂波が口を開く前に、俺は言葉を押しつけた。

「俺は、おまえに釘を刺すために、呼び出しかけたんだよ」
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