B - Half
「好きでもないおまえなんて、傍にいるのは却下。

 彼女なんて問題外だろ。

 で、ひとんちの教室に乗り込んでくる辻穂波は、『却下』って云われて、『はいそうですか』って引っ込む素直なオンナなワケ?」

 正直、俺は長く話すのは苦手だ。

 基本姿勢は、ひとの話にツッコミを。

 それなのに、結構しゃべろうと思えばしゃべれるものだったらしい。

 好きなオンナが、ものすごい真剣に聞いていれば、なおさら。

 『伝わってるのかな』、と心配していたら、じわじわ、穂波の顔色が変わった。

 青ざめた色から、つつきたくなるくらい、赤く、赤く。
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