B - Half
・2・
夏休みの1日――というよりも、ほんのひとときの惑乱が、夏のおわりのいまでも、尾を引いてる。
「あんた、そりゃあ……ダメでしょ?」
艶のある真っ黒なショートボブの髪をかきあげながら。
話を聞いた貴子さんは、苦笑ってた。
貴子さんは1年のときのクラスメートで、あたしの『王様の耳はロバの耳』なひとだ。
なにかをやらかしてしまったとき、自分だけで後生大事に抱えていると、恥ずかしさやりきれなさで、パンクしてしまう。
だからあたしは、たいていのことはそのまま、貴子さんにゲロしてた。
貴子さんの、おねいさまっぽさが、あたしに、それを許してくれたから。
そうやって吐き出して、あたしはまた、自分を立て直す。
自分のプライドに見合ったオンナであるフリをする。
「あんた、そりゃあ……ダメでしょ?」
艶のある真っ黒なショートボブの髪をかきあげながら。
話を聞いた貴子さんは、苦笑ってた。
貴子さんは1年のときのクラスメートで、あたしの『王様の耳はロバの耳』なひとだ。
なにかをやらかしてしまったとき、自分だけで後生大事に抱えていると、恥ずかしさやりきれなさで、パンクしてしまう。
だからあたしは、たいていのことはそのまま、貴子さんにゲロしてた。
貴子さんの、おねいさまっぽさが、あたしに、それを許してくれたから。
そうやって吐き出して、あたしはまた、自分を立て直す。
自分のプライドに見合ったオンナであるフリをする。