B - Half
「コウやキョウといるのは、すごく居心地がよかった。

 コウはまるで空気みたいで、傍にいるとなんにも気兼ねしないで、普通でいられたし」

「……やけるわね」

 ぼそりと、クールな美人顔をしかめて、貴子さんがなにやら呟く。

「え……?」

「いいえ、なんでも」

 訊き返したら、これ以上ない完璧な笑顔で首を振られた。

 なんなんだろ。
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