B - Half
 彼氏彼女がするようなコト、全部やっておきながら、なにも考えてなかった。

 相手がいなくなっても、自分の心さえ知らず。

 気付いたときには遅いというのさえおこがましいほど遅すぎる。

「あたし、キョウが好きだったんだ……」

 言葉にしたら、胸が苦しくなった。

 でも、涙なんか一滴も出てこない。

 『好きなひとが死んで哀しい』って嘆くには、あまりにも遅すぎる。
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