B - Half
 くるくる、アイスティのストローを回していると、ちょっと離れた入口で、ガラス扉が開く音がした。

 馴染みのある顔。

 うちにいたときは持ってなかったんじゃないかな、と思う綺麗なペールグリーンのシャツを着て、コウが店内を見渡してる。

「コウ」

「……しより」

 手をあげると、ほっとしたような、むしろ緊張したような、奇妙に歪んだ表情をした。

 そんな風にされると、さすがに胸が痛む。

 全部バカな、あたしのせい。

 ――でも、それも今日でおしまい。

 あたしの、最低限の格好つけ。

 ハンパに壊れた『三人』の関係を、この瞬間で終わりにしよう。

 終わらなきゃ、なにもはじめられない。
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