B - Half
・1・
すでに記憶の彼方だけど。
たぶん、一目見たときから好きだった。
「猫系か犬系かって訊かれたら絶対に猫!
殺人的に綺麗なんだよ、ホント」
「ハイハイ」
「綺麗なだけじゃなくて、中身も意地っ張りでかわいいの」
「ハイハイハイハイ」
カフェ【Augasta】の、カウンター脇の席。だらしなく俺が伸びたテーブルのうえ。
空っぽになったグラスを取って、自称『カフェの看板娘』・穂波が、レモンの浮いた水をつぎたした。
手つきは丁寧な接客モードだけど、顔は完璧にうんざりしてる。隠していない。むしろアピールって感じ。
たぶん、一目見たときから好きだった。
「猫系か犬系かって訊かれたら絶対に猫!
殺人的に綺麗なんだよ、ホント」
「ハイハイ」
「綺麗なだけじゃなくて、中身も意地っ張りでかわいいの」
「ハイハイハイハイ」
カフェ【Augasta】の、カウンター脇の席。だらしなく俺が伸びたテーブルのうえ。
空っぽになったグラスを取って、自称『カフェの看板娘』・穂波が、レモンの浮いた水をつぎたした。
手つきは丁寧な接客モードだけど、顔は完璧にうんざりしてる。隠していない。むしろアピールって感じ。