B - Half
 もやもやした気持ちは横に押しやって、ゆっくりと俺は繰り返した。

「だから、バイト」

「変です!」

 穂波が間髪置かず、手を出してくる。

 俺の前髪をすくって、ひんやりした手のひらで額にふれた。

「勉強にしても、バイトにしても!

 ぐうたらなキョウヤくんらしくありません!

 熱でもあるんじゃないですかぁ?」

「別に、俺は受験生だから、勉強はおかしくないだろ」

「じゃあ、バイトは?

 受験生がバイトなんて、ナニ捨ててんのって感じです」
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