B - Half
「それまで、おまえ、俺の彼女にでもなっとくか?」

「なんなんですか、その脈絡は!

 ワケわかりませんからッ!」

 ザザッと、穂波が変なステップで背後に下がる。

「おまえも、まざりたいんだろ?

 遠慮するなよ」

 にやにや笑いながらささやくと、穂波はあからさまに頬を赤らめた。

「冗談じゃありませんよッ!

 あたしは、あたしのダーリンと運命的な出会いをする予定なんですから!

 近寄んないでください!」

 喉も裂けよと、喚くだけ喚いて。

 ぱたぱた、一目散に穂波がカウンターに逃げていく。

 その姿が無性におかしくて、俺は笑い転げた。
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