B - Half
「やる気の問題だと思うんです。うちの数字のせんせ、じーさまで授業が念仏みたいなんですよ。あれじゃあ、やる気も天に召されちゃいます!」

「…なんだそりゃ」

「だから! ここからが本題です!」

 ぐいい、と穂波は身を乗り出す。

「ご褒美、ください」

 俺は無言で、穂波のお軽い頭をどついた。

 べしょ、と穂波は机に伸びる。

「なにすんですか! ひどい~!」

「自分のモチベーションくらい、自分でどうにかしろ」

「自分でどうにかしたいからこその提案じゃないですか! やる気まんまんです!」

「なにをやる気なんだ。なにを……」

 いつの間にかお互い立ち上がり、ぜいぜい肩で息をしている。

 なんだか、猛烈にバカらしくなった。
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