B - Half
「あたしは、そんなのみっともないって思う。

 自分の弱いところを晒して、なにが愉しいのよ。情けないだけじゃない。

 あたしだって、母さんだって、あんたの次くらいに哀しんだ。

 でも、普通に生活しているわ。

 なんで、あんたは踏ん張れない……ううん、踏ん張らないの?」

 従姉の正しさ強さに、全面的に降伏かつ賞賛を捧げたい。

 だけど、彼女が声を荒げているのを、他人事みたいに眺めている俺が、その場所にいた。

 全部、どうでもいいと投げだしてしまいたかった。
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