B - Half
 昼休み。

『ごめんなさい!

 今日はど~しても重要かつ重大な用事があって、お昼は一緒できないんです!』

 珍しく穂波に昼メシをキャンセルされて、俺はひとりで屋上にいた。

 毎日一緒の奴がいないと、なんだか調子が狂う。

 そんな本人には間違っても聞かせられないことを考えながら、熱せられたコンクリートに寝転んでいた。

 と、視界にすんなりと伸びた足。

 見上げると、きわどい位置でひらひら、制服のスカートが揺れていた。

「しより」

「あの娘は?」

 天敵を捕捉しようと、油断なく周囲を見渡すしよりに、俺は苦笑するしかない。

「いないよ」

「そう」

 心なしほっとした様子で、しよりは穂波の指定席――俺の右隣りにに腰を下ろした。
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