ひまわり





今日は、失敗した。


いつもなら教室で食べるはずの彼女が友達と広場にいる。


少しでも彼から彼女の存在を消したくて、広場に誘ったのに。




――これじゃ、また彼女を思い出させただけ。




せっかく喜んでほしくて、少しでも気をひきたくて作ってきた手作り弁当も意味をなさない。




だって、彼の目はしっかりと彼女にだけ注がれている。


お弁当なんか見向きもしないで、ただひたすらに。




いま、隣にいるのはワタシなのに、


肝心な心は離れた場所にいる。




「……っ。」




そんな泣きそうな顔で見つめないで。


これ以上、どこかにいかないで…。




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