ひまわり






――あのあと私は広場には戻らなかった。



また彼女を映している郁馬に、会いたくなかったから。





「どうして戻ってこなかったの?」

「………。」





放課後、郁馬は私に会いにきた。



それは広場でのことを聞きたいから。


そこでハッとした。



郁馬が目的なしに会いにきたことがないことに気づいた。


ただ純粋に私に"会いたい"と思ってきてくれたことはなかった。



いつも私ばかり。


会いたいと思うことも、

一緒にいたいからどこかに誘うことも。



それはよく考えれば気づくことばかりだった。




< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop