...兎 × 狼...
...第壱章、

1 見-っけた


「..ねぇ、帰りにカフェ行こうよー。」

「じゃあ、ゲーセンも行こうよ。」

「男子も誘う?」

ところどころで楽しく会話する声が聞こえる。
わたしは入学式を休んだのがきっかけで友達を作れないでいた。タイミングを逃してしまったのだ。
もう、いくつもグループが出来ており入りづらい。

とにかく、隣の席の子から。

「..あのー、わたし、小楠 遊姫。よろしく。」

「中川 恵子。よろしく。」

失敗だったようだ。

中川さんは目も合わせようとしないで早口に言いおえた。

「えっと、どこ中?」

「吉川中。」

やっぱり、こっちを向こうとはしない。わたしは顔をひきつらせながら笑った。



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