...兎 × 狼...
「じゃっ、ゆう、バイバイ。」
「あ、バイバイ。」
皆、部活に行ったり帰ったりして教室は静かになった。
「...はあああああ。」
長い溜め息が出て自分の席に座る。
――― ガタっ。
顔をあげると男子が一人、教室の入り口に立っている。
「...起こした?」
名無しの権平さんはわたしに近づいてくる。
「..大丈夫。ってか、誰ですか?」
相手の顔をジーっと見てみる。
「聞く方から言えばいいじゃん。」
カチンッ。
何、こいつ。めっちゃ、ムカつく。何様のつもりよっ。