魔法のチーズ・ケーキ
パクビティの
頭の中の細~い糸が
切れたご様子。

「あなた達は、とにかくムダの出ないように!

限られた材料で少しでも多くのケーキを作って

儲けが出ることだけを考えていればいいんです!!」

そんなパクビティの雄叫びに

ブーニーたちは
背中裏にささっと

壷入りの
ムース・キャラメリゼと
ふるふるふるえる
ジュレ・ド・カフェを隠す。

彼らもまた、
ハックに刺激され

旨いスイーツづくりに
励むようになっていたのさ。

「私に口答えするなんて10年早…」

憤怒の鼻息が
耳からも肩からも
湯気となって溢れるパクビティ。

その黄色みを帯びた
汚らしい目に
あるものが止まった。

ハックが今、まさに
失敗して捨てようとしていた

ぺちゃんこチーズ・ケーキだった。
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