魔法のチーズ・ケーキ
「じゃあ、また。

満月の夜にここに来ますね」

ホッホッホと
不愉快な笑い声を残し
去っていくパクビティ。

残った職人たちは
ぼーぜん。どーぜん。


あまりの展開に、
ましてや自分たちが
クビになろうとは。


でも、ハックは違った。

ぜったい、ぜったい
あのチーズ・ケーキを

1人でつくり上げてみせる。

それもパクビティが
ぎゃふんと唸るような

とびきり旨いチーズ・ケーキを。

コック帽の下の
いつもはキラキラ
輝くハックの目が

ギラッと燃えた瞬間だった。
< 34 / 68 >

この作品をシェア

pagetop