魔法のチーズ・ケーキ
ハックは
ふと
たちあがり
まるで夢遊病のように
コック帽を置き
エプロンをとり
うわばきを脱いで
裸足のまま
工場の横の
らせん階段を
目もうつろに
のぼっていった。
一番上の
屋根の上
屋上に登ると
下は一面
寝静まる街
上には
蒼い闇に
ぽっかり浮かぶ
大きな月。
それから
ハックは一晩中
屋根の上に
座っていた。
何を見るでもなく
誰に話すでもなく
途中
一匹だけ
黒い野良猫が
ハックの脇に
歩いてきた。
あいつの脇腹に
頭をすりつけた。
あたりはまた
例の光が
一瞬ふわっと
ハックのまわりに
宿ったらしい。
ふと
たちあがり
まるで夢遊病のように
コック帽を置き
エプロンをとり
うわばきを脱いで
裸足のまま
工場の横の
らせん階段を
目もうつろに
のぼっていった。
一番上の
屋根の上
屋上に登ると
下は一面
寝静まる街
上には
蒼い闇に
ぽっかり浮かぶ
大きな月。
それから
ハックは一晩中
屋根の上に
座っていた。
何を見るでもなく
誰に話すでもなく
途中
一匹だけ
黒い野良猫が
ハックの脇に
歩いてきた。
あいつの脇腹に
頭をすりつけた。
あたりはまた
例の光が
一瞬ふわっと
ハックのまわりに
宿ったらしい。