魔法のチーズ・ケーキ
「どうしたハック。
まあ、こっちに
来いよ」
職人のひとりが
酒瓶片手に
黒い布を
がばっととると
そこには
あのブロンドの髪も
まゆも 睫毛も
すべて
真っ白になり
すべすべだった頬は
皺くちゃだらけ
歯は抜け
皮はたるみ
すっかり年老いた
ハックが
窓の外からの
月光に照らされて
廃人同様の
うつろな目で
見ていない空を
見ていたのさ。
まあ、こっちに
来いよ」
職人のひとりが
酒瓶片手に
黒い布を
がばっととると
そこには
あのブロンドの髪も
まゆも 睫毛も
すべて
真っ白になり
すべすべだった頬は
皺くちゃだらけ
歯は抜け
皮はたるみ
すっかり年老いた
ハックが
窓の外からの
月光に照らされて
廃人同様の
うつろな目で
見ていない空を
見ていたのさ。