魔法のチーズ・ケーキ
「そればっかりは
私にもよく
わからないがね」

教授はゆっくり
樫の木のパイプに
火をつけ

格子の外の
黄金色の月を見つめた。

「ただ、言えるのは
ハックは
あれ以上にもあれ以下にも
歳が変わらない。

いつまでもいつまでも
満月の夜のときと変わらない
しわくちゃ老人のままなのさ」

教授は一度 
煙を深く吸い込み
僕の顔を見る。


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